ARICA(ありか)
2001年、ベケットのテクストを藤田康城が構成・演出した「彼女はそこに、再び、-Move on Beckett-」に安藤朋子が出演。先鋭的な身体と声(言葉)の探究に重点をおいた実験的舞台が支持を獲得する。その成果を踏まえ、さらなる革新的な演劇創造のために、プロデューサーの前田圭蔵、音楽家の猿山修、詩人・批評家の倉石信乃らとARICAを設立する。01年11月「Homesickness」を皮切りに年1-2作品のペースで新作を制作、上演している。
美術家、映像作家、テキスタイルデザイナー、建築家といった各分野で活躍する人々とのコラボレーションによるそのユニークな活動は、演劇やダンスといった枠を超え、ビジュアルアートや音楽、建築やデザインなどのクリエイティブ・ワークと呼応するパフォーマンスとして注目を集めている。
東京ワンダーサイトや、桐生のノコギリ工場跡地、西麻布スーパーデラックス、横浜・BankART NYKなどといった、いわゆる既成の劇場ではない空間での上演も多く、そのサイト・スペシフィックなアプローチや、身体と共振するライブ演奏、メカニカルな装置の導入等を通じて、身体表現の新たな地平を切り開こうとしている。
2005年9月、カイロ国際実験演劇祭の招聘で初めての海外公演を行い、審査員特別賞であるベスト・ソロ・パフォーマンス賞を受賞。08年にはニューヨーク ・ジャパン・ソサイエティに招聘され「KIOSK」を上演、その翌月には東京でも凱旋公演を行い、好評を博す。
2009年2月新国立劇場にて、主催者の東京室内歌劇場の依頼により、藤田康城は、ジェルジ・リゲティのオペラ「ル・グラン・マカーブル」日本初演の演出を行った。本作品は、音楽雑誌「音楽の友」のアンケートにより、2009年度の国内で行なわれた、全クラシック(海外来日公演・オペラ含む)ベスト・コンサートで6位、オペラ部門では最上位に選ばれた。
2009年11月には、ゲストにダンサーの神村恵、栩秋太洋、音楽家の平本正宏を加え、新作「TSUKAI」を川崎アートセンターにて初演。2010年1月には、インド・デリーの国立演劇学校が主催する国際演劇祭に招待され、再び「KIOSK」を上演した。現在は新作「house=woman /家=女」を構想準備中で、また代表作「KIOSK」による海外公演、地方公演やワークショップ・アウトリーチ活動なども計画している。