NEGAERI

2025年2月9日
会場:リーブラホール(東京・芝浦)

Whenever Wherever Festival2025参加作品

睡眠中の体はどうなっているのだろうか。体重を床にあずけ、脱力状態なのに、寝返りをうっている。健康な大人は、ひと晩におよそ20回も寝返りをするという。しかし、その動きを覚えていることはめったにない。

全身が重力に支配された上に、脱力した状態で、「寝返り」という動きを探ってみる。すると自分の意志とは関係なく思わぬ動きが生まれ、微妙な身体のバランスに気付かされる。それは、思いの外、スリリングだ。

そして、その茫洋とした時間の中で、寝返りを打つ女の動作を、もうひとりの女が見つめ、その息遣いに呼応するように、声・息を重ねて行く。

軟弱で曖昧ともいえる「寝返り」という行為が、空間を繊細に震わせる声と共振し、新たな身体の表徴が立ち上がる。

演出:藤田康城 

出演:安藤朋子 

声:山崎阿弥

写真:宮本隆司

記録映像:藤田紅於