UTOU

2014年7月18日〜21日
会場:森下スタジオ
2014年7月26日、27日
会場:徳之島金見農業研修館・公民館

インドより、20世紀演劇の伝説的な革新者であるグロトフスキーのメソッドを習得しインド国内外で特異な身体性の舞台を発表してきたジョティ・ドグラを招き、謡曲「善知鳥」を題材にとった、ARICA流の新作能。
「うとう」という親子の情深い鳥を狩った猟師は死後、冥府をさまよっているが、旅の僧に出会い、頼んで形見の蓑笠と片袖を遠く陸奥の外の浜に住む妻子に届けさせる。そこへ自らも姿を現すのだが、息子の髪に触れようとした瞬間、わが子の像は失せてしまう。罪深い自分を省みつつ、狩猟の身振りを再演するうち殺生にまつわる快楽もよみがえる。ついには雉の姿に変えられ、それをかつての「うとう」が逆に化鳥、犬や鷹となって追いかける。僧に助けを求めるところで猟師の姿は見えなくなる。
インドのカースト制とも呼応する、様々な差別の問題を意識した作品で、東京公演に続いて、奄美群島の徳之島に出かけ、美しい海を借景にした上演も行った。

演出:藤田康城
コンセプト・テクスト:倉石信乃
出演:安藤朋子+ジョティ・ドグラ+茂木夏子
ボイス・音楽:福岡ユタカ
舞台監督:寅川英司
音響デザイン:福岡ユタカ
衣装:安東陽子
宣伝美術:須山悠里
協力:渡部直也・高橋永二郎・前田圭蔵
制作:須知聡子